韓国の音楽界で(多分)1番長く活躍している日本人、長谷川陽平さんのインタビューが好き。




 

 

皆さんこんにちは、こりあゆです。

 

最近はTWICEに日本人メンバーがいる事で、韓国で日本人がデビュー!なんて報道がよくされていますが、少し前の韓国のコンテンツを知っている人達は「いや、前はアユミやサユリがいた」と言う事でしょう。

確かに2人もすごく前から韓国で有名な日本人でしたし、TWICEがデビューする前は日本人といえばサユリかアユミの名前が出ていたくらいだったんですが、

 

そんな二人よりももっともっともっと前から韓国の音楽界でやってきて今も尚活動されている日本人がいます。

 

それは、あのIUと熱愛が発覚した事で一時日本の若い層にも名が知られたチャンギハのいる、国民的バンドグループ「チャンギハと顔たち」でギタリストをされている長谷川陽平さんです。

 

 

元々私が長谷川陽平さんの存在を知ったのは、韓国人の友達に「チャンギハのバンドのギター、日本人なんだよ」と言われた事がきっかけでした。

そもそも日本のバンドグループも知らないので、韓国のバンドグループも詳しくなく、、

大変失礼ながらあんなに有名なチャンギハさんでさえ名前は知っててもお顔は存じ上げてないレベルの私だったので、まさかそんな方がいらっしゃるなんてとめちゃくちゃ吃驚したのを覚えてます。

そして友達が続けて「ちなみにその日本人のお父さんが、竜雷太さんって人らしいよ」と言って来て、私はまたまた存じ上げておらずその場で調べたら物凄く有名な方でたまげたという‥‥そんな覚えがあります(笑)




 

そんな1971年生まれの長谷川陽平さん、なんと韓国のロックに興味を持ち始めたのは95年。友達に教えてもらったサヌリムなどの韓国の音楽を聴いて、こんな音楽があるのか!と感銘を受けたのがきっかけで、日本には何の情報もない、じゃあ行って確認しよう、と韓国語も一切出来ない状態で渡韓。

現在、韓国に来られてからもう20年くらいになるそうですが、

何が凄いって、韓国で「日本人といえば」で名前が上がらない事。

陽平、の名前を韓国語読みしてヤンピョン(양평이형)と呼ばれ親しまれていて、もはや外国人というよりはウリナラに受け入れてもらえているのが長谷川さんだと個人的に思っています。←

私はコネストでたまたま長谷川さんのインタビューを見て、韓流ブームだとかそういったものが一切ない時期の90年代の韓国に、

韓国語も全く出来ない状態で行って、韓国の文化に適応していって、そこから長谷川さん自身の才能や実力を韓国で生かしていく姿が素晴らしいなあと感動して、たまに繰り返し読んでいるので、私のお気に入りのインタビューを抜粋して紹介したいと思います。

(元はコネストさんの記事です、リンク貼っておきます。】

 


 

 
Q:それからも頻繁に行ったり来たりしたんですか?
 
A:ええ、しばらくは日本でコプチャンチョンゴルというバンドとして活動しながら、韓国と日本を行ったり来たりしてましたね。その当時は、ビザ無しで滞在できる期間が15日だけだったんですよ(現在は3ヶ月)。

それまでより時間ができた96年からは、2週間来て、一度帰って3日くらいしたらまた来る、というのをずっと繰り返してましたね。それでライブハウスを回ったりCD・レコード屋巡りをしたりしてました。

 
 
 
Q:それで98年から韓国に住み始めるわけですよね?
 
A:ええ、でも相変わらず行ったり来たりしてましたよ。完全に住んでいたわけではなくて、その頃やっとビザなしの滞在期間が1ヶ月になったんです。それで友達の家に居候しながら、大半は韓国で過ごしていましたね。
 
 
 
Q:最終的に韓国に住もう!と思った動機はなんだったんですか?
 
A:もともと「韓国に住んでやるぞ!」とかそういった堅い意志みたいなものは全然ありませんでした。ただ音楽への興味が入口になって、そこからスルスルっと「韓国」というやつが体に入ってきたというか、気づいたら引き寄せられちゃっていた感じですよね。




 
 
 
Q:その頃はもう友達もだいぶいらっしゃったんですか?
 
A:そうですね。言葉はできませんでしたけど、96年からそれまでの間、ホンデのライブハウスとか毎日ハシゴしてるじゃないですか?そうすると当時は日本人なんかそんなにいないから噂になるんですよ。「変わった日本人がよく来てる」って(笑)。

それで話し掛けてくれる友達ができて、毎日のようにお酒を飲んでいくうちに、1人が2人、2人が4人・・っていう感じでつながりが広がっていきましたね。

 
 
 
Q:やっぱり韓国では友達付き合いにお酒は大事ですか?
 
A:そうなんですよねぇ(しみじみと)・・、ほんと何故か知らないけれどこっちの人にとってお酒は最高のコミュニケーション道具なんですよねえ。立てないくらい酔っ払って、または吐いたりして、お互い介抱するという極限の姿を見せ合うことで(笑)、心が開くんでしょうねえ。でも実際それで友達はすごくたくさん増えました。今知り合いの連中は、ほとんどがその頃毎晩一緒に酒を飲み歩いてた人たちですからね。
 
 
 
Q:そういったノミニケーションを通してできた人脈から音楽活動も広まっていったんですか?
 
A:はい、トゥゴウンカムジャももともと5年くらい一緒に住んでいた友人がきっかけで加入することになりましたし、デリスパイスと言うバンドもメンバーが僕のベストフレンドですからね。

お酒を一緒に飲むことももちろんそうですが、僕は頼まれた仕事は断らずにやってみようとするタイプなんですよ。それである仕事をして、それが誰かの目や耳に留まるとまた別の人が、「この音は長谷川にしか出せないから」ということで信頼して別の仕事で指名してくれるんです。僕は運が良かったというのもあるけれど、それまで積み重ねてきた人々との信頼関係が大事ってことですよね。

 
 
 
Q:そして2005年にサヌリムへメンバー加入しますよね?
 
A:ええ、もともと韓国に来たきっかけの一つがサヌリムというバンドでしたから本当にうれしかったですよ。97年にライブを初めて見て以来、サヌリムのメンバーとは一ファンとして親交を深めていったんですね。僕のライブを観に来て下さったりして。

それで僕なりに音楽活動をして来たのをサヌリムのマネージャーが見て、「サヌリムの音を出せるのは長谷川だろう」という事になったらしいんです。

「あのサヌリムに日本人なんて!」というメンバー以外の周りからの反対もやはりあったそうなんですけど、金昌完(キムチャンワン)先生はそんな小さなことにこだわる人ではないですから。「長谷川!?いいじゃん。何が問題なの?」と言ってくれたそうです。

 
 
 
Q:韓国のこういう所が好きだなあ、また反対にこういうところはちょっと・・という点はどこですか?
 
A:最初は「なんだかなあ」と思うんだけど長い目で見ると合理的にできてて、それで好きになった韓国ならではのシステムとかありますよ。例えば、待ち合わせをして遅れそうな時に、韓国人がよくやるのが「遅れそうだから家出る時にもう一回電話する」ってやつです。

日本で考えるとこの感覚はあり得ないですよね?でもただ待たされるより意外に効率良かったりするんですよ。3時に約束して4時に来たら誰だって怒るでしょう?1時間待たされるんだから。だったら前もって電話して「遅れそうだから家出る時に連絡する」って言ってもらった方が、待つ方は無駄に1時間待つより効率よくその時間使えますよね?

あとは韓国のタクシー、お釣りくれない時あるでしょう?料金が2480ウォンで2500ウォン払っても20ウォンのお釣りくれなかったりして。で、最初は「なんでお釣りしっかりくれないんだよ!」とか思うんですけど、また別の時に2520ウォンの料金で3000ウォン払うと、しっかり500ウォンお釣りくれたりするんですよね(笑)。

結局プラスマイナスゼロなんですよ。だから最初は嫌だなと思う所も、長い目で見ると世の中うまくできてるんだなって(笑)感心することがあります。

 
日本人でこういう事を指摘する人がなかなかいないんですよ。韓国の悪い所ばかり見てしまう人が多くて。でもよく考えてみると、住んでみてその状況がデフォルトになると「あ、イイんじゃない」って思うことがありますよね。ナルムデロ(韓国語で”それなりに”の意味)合理的な感じで回ってるんですよね(笑)。
 
 

Q:それでは最後にこれからの目標・展望などを聞かせてください
 
A:近い将来の話では、韓国の昔のGS(グループサウンズ)の新譜を僕が一緒に演奏して出したり、当時のアルバムを再発したりする予定です。サヌリムは頻繁ではないですが定期的に活動を続けていきますし、トゥゴウンカムジャとデリスパイスはしばらくは充電期間ですね。
 
夢と言うか小さい希望だったら「韓国で美味い蕎麦が食えればなあ」とかありますけどね(笑)。あとはやりたいことを自由に出来る、今のこの状況のままでずっと生きて行くことが夢ですかね。僕は夢というのは追いかけるものじゃなくて、あとからついて来るものだと思うんです。

好きなもの、やりたいことを思いっきりやればあとから何かしらの結果がついてきますから。そうあるために、そのときどきで自分の夢もコロコロ変えられるくらい、自由でいたいと思いますね。

 
 
 
記事抜粋コネスト;第10回ミュージシャン長谷川陽平(https://www.konest.com/contents/korean_life_detail.html?id=1461)
(インタビュー時期は、2007年です。)
 
 

 
 
 
どうでしょうか、私このインタビューすっごく好きなんですよね。
 
韓国の良いところ、うーんという所も全て受け入れようとして受け入れているというよりも、自然と長谷川さん自身が文化に溶け込んでいるというか。
 
そして、全く語学も出来ない状態で知り合いもいなかったのに、韓国の文化に従いお酒を飲んでコミュニケーションがなんとなく出来ていて数年後には寝泊まりさせてくれる仲間が出来ている(笑)
おまけに日本語使う環境なんかなかったでしょうから、韓国語に関しては一切学校には通っていないのに番組なんかを見ていてももうペラペラですし、
 
そんな環境で好きな音楽を続けていたら長谷川さん自身の実力を認めてくれる人達が現れて、自分が韓国に来るきっかけになったバンドに加入する事になって、今や国民的バンドのギタリストですよ。
 
自分の思うままに自由に生きながらも、努力して好きなお仕事をされている。
 
素敵だなと思いました。
 
私のロールモデルのうちの1人です。また久しぶりに読んで気が引き締まった気がします!皆さん是非インタビュー記事全文読まれて見て下さい。
 
 
おまけですが、長谷川さんと日本人で韓国で活躍されていたタレントサユリさんがちょくちょく番組で共演をしていたシーン、面白いのでもし良かったら検索かけてみて下さい(笑)
 
 
 
 
それでは次の記事でお会いしましょう、さらば!
 
 

 
 
 




ABOUT US

こりあゆ
こりあゆ。1993年6月11日生まれ。海外生活7年目、韓国生活6年目。2009年冬16歳の頃、韓国語を独学で勉強し始め半年後高校の夏休みを利用し1カ月短期留学。それからも独学で中高級まで終わらせ、高校卒業後18歳で渡韓。2012年9カ月間延世大学語学堂に通い卒業、2013年キョンヒ大学に正規入学し文化コンテンツ学専攻、卒業後、2018年より韓国現地のIT企業に新卒就職、コンテンツマーケターとして働く。